全エクソーム/RNAシーケンス/ネオアンチゲン解析

概要

全エクソーム解析

全エクソーム解析(Whole-exome sequencing; WES)は、ヒトゲノムのうちタンパク質をコードするエクソン領域(エクソーム)を選択的にキャプチャーし、効率的に解析する手法です。エクソームはヒトゲノムのうち2%未満の領域であり、疾患を引き起こす多くのバリアントはエクソン領域に位置することが知られています[Warr, 2015]。全エクソーム解析は、全ゲノム解析(Whole-genome sequencing; WGS)に比べて費用対効果が高く、同コストでより多くのエクソーム情報を取得することができるため、低頻度の変化であってもより信頼性の高いデータを得ることができます[Sun, 2015]。

この手法によって、遺伝子疾患やがん研究などの幅広い分野において、効率的に遺伝子変異を同定することができます。

RNAシーケンス解析

RNAシーケンス(RNAseq)は、迅速かつ正確に細胞中に存在する全ての遺伝子転写産物(トランスクリプトーム)の配列・発現量を解析する手法です。サンプル中のトランスクリプトームを網羅的に解析し、各遺伝子転写産物を定量することができます[Wang, 2009] 。従来のマイクロアレイ等の手法に比べ、RNAseqはバックグラウンドが低く高精度です。さらに、新規の転写産物やスプライシングバリアント、融合遺伝子等を検出することもできます[Wang, 2009, Hrdlickova, 2017]。

解析技術

シーケンス機器

ライブラリー作製試薬

全エクソーム解析

  • Agilent SureSelectXT Human All Exon V5
  • Agilent SureSelectXT Human All Exon V6

 

RNAシーケンス解析

  • TruSeq RNA Library Prep Kit
  • TruSeq Stranded mRNA Sample Prep Kit
  • TruSeq Stranded Total RNA Sample Prep Kit

解析パイプライン

全エクソーム解析

RNAシーケンス解析

適用分野

全エクソーム解析

RNAシーケンス解析

全エクソーム解析
+ RNAシーケンス解析

  • 疾患の原因となる遺伝子変異の同定
  • 疾患関連研究
  • 遺伝子発現プロファイリング
  • 発現変動遺伝子の解析
  • 融合遺伝子、スプライシングバリアントの検出
  • 遺伝子情報へのアノテーション付加
  • ネオアンチゲン解析

 

ネオアンチゲン解析

近年がん免疫療法は、免疫システムを介した画期的ながん治療法として注目されています。ネオアンチゲンは、がん細胞に生じた体細胞変異に由来する新規抗原で、がん免疫療法の理想的な標的と考えられています。ネオアンチゲンを見つけ出すことは、個別化がん免疫療法として有効ながんワクチンを開発するための最も重要なステップです[Gubin, 2015, Schumacher, 2015]。

CPMは、がん検体を用いた包括的なネオアンチゲン解析サービスをパッケージとしてご提供します。

 

ネオアンチゲン解析の流れ

  1. 全エクソーム解析は、腫瘍サンプル(がん組織)と正常サンプル(正常組織や血液など)から抽出したゲノムDNAを用いて行います。両サンプルの全エクソームデータから、がん細胞のみで起きている遺伝子変異を同定します。
  2. 腫瘍サンプルからは、ゲノムDNAと同時にRNAも抽出し、RNAシーケンス解析によって各遺伝子のがんでの発現量を確認します。
  3. 全エクソームデータとRNAシーケンスデータから、がんで発現している遺伝子変異をもつ遺伝子を特定します。
  4. 正常サンプルを用いた全エクソームデータから患者さんの持つHLAタイプを調べ、コンピュータアルゴリズムによって、HLA分子に結合する遺伝子変異を含むペプチド(ネオアンチゲンペプチド)を予測します[Kiyotani, 2017, Kato, 2017]。
  5. 予測されたネオアンチゲンペプチド情報をレポートとしてご提供します。

参考文献

  • Warr A, et al. Exome Sequencing: Current and Future Perspectives. G3 (Bethesda). 2015;5:1543-1550.
  • Sun Y, et al. Next-generation diagnostics: gene panel, exome, or whole genome? Hum Mutat. 2015;36:648-655.
  • Wang Z, et al. RNA-Seq: a revolutionary tool for transcriptomics. Nat Rev Genet. 2009;10:57-63
  • Hrdlickova R, et al. RNA-Seq methods for transcriptome analysis. Wiley Interdiscip Rev RNA. 2017;8. doi: 10.1002/wrna.1364.
  • Gubin MM, et al. Tumor neoantigens: building a framework for personalized cancer immunotherapy. J Clin Invest. 2015;125:3413-3421.
  • Schumacher TN, et al. Neoantigens in cancer immunotherapy. Science. 2015;348:69-74.
  • Kato T, et al. Integrated analysis of somatic mutations and immune microenvironment of multiple regions in breast cancers. Oncotarget. 2017;8:62029-62038.
  • Kiyotani K, et al. Integrated analysis of somatic mutations and immune microenvironment in malignant pleural mesothelioma. Oncoimmunology. 2017;6:e1278330.

 

研究開発ページはこちらよりご覧ください。

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